竹中工務店ら/CO2排出係数、将来変化する3シナリオ開発/HLC削減支援

2026年6月30日 技術・商品 [3面]

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 竹中工務店は地球環境産業技術研究機構(RITE、山地憲治理事長)と共同で、建物運用時に電力供給技術の進展などに伴う二酸化炭素(CO2)排出量の変化を踏まえ、CO2排出係数の「将来変化シナリオ」を開発した。従来は計画時点のCO2排出係数を建物ライフサイクルの全期間に用いているが、将来変化シナリオに基づく係数を使いCO2排出量を適切に推計。ホール・ライフ・カーボン(HLC、資材調達から解体・廃棄までの総排出量)削減をサポートする。
 将来変化シナリオ「C.FACTOR」は、電力のCO2排出係数(単位エネルギー当たりのCO2排出量)を、2100年まで5年間隔で推計したデータ。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書や日本政府の第7次エネルギー基本計画などを踏まえ、▽高排出▽中間的▽最良-の三つのシナリオを設定した。
 高排出シナリオは各国の温室効果ガスの削減が進まず従来評価に近い。中間的は現時点で各国の枠組みから可能性が高いと示唆されるシナリオ。最良シナリオは、パリ協定で地球の平均温度上昇を2度以内に抑える目標を前提に、さまざまな取り組みを実施したケースとなる。
 将来変化シナリオを使い、運用時のCO2排出量(オペレーショナルカーボン)をより正確な値にする。建設・解体時のCO2排出量(エンボディドカーボン)と合わせて適切なHLCを算出する。
 運用時と建設・解体時のCO2排出量を相対的に比べ総量を評価。高排出シナリオの場合はオペレーショナルカーボンの削減、最良シナリオはエンボディドカーボンの削減の重要度が高まる。「将来を見越して最適な建物を計画できる。議論の焦点が増える」(担当者)という。
 両者は日本を含む21カ国の推計データ(1カ国3シナリオ)を整備。5カ国(日本、米国、英国、フランス、ドイツ)の代表年代(30・60・90年代)のデータを、研究・教育目的に無償で一般公開する。