話題の技術/エイト日本技術開発ら/高精細3Dモデル生成とロボット探査を融合

2026年7月1日 技術・商品 [3面]

文字サイズ

 ◇下水道や地下空洞の調査に活用
 エイト日本技術開発らが、高精細3Dモデルを生成する最新技術「ガウシアン・スプラッティング」を取り入れ、狭くて暗い水路の現況と位置を可視化した。3D空間データを作成するきもと(三重県いなべ市、小林正一社長)のガウシアン・スプラッティング技術と、エイト日技のクローラー型ロボットを融合。下水道の包括管理や炭鉱跡地下の空洞調査などの業務受託につなげる方針だ。
 ガウシアン・スプラッティングは、Structure from Motion(SfM)と呼ぶ計測技術を活用する。SfMは三角測量の原理を応用し、異なる視点で撮影した2Dの画像から3D形状が計測できる。点群データの各点に色や不透明度、大きさ、向きなどを割り当て、空間全体を「ガウス分布」と呼ばれる多数の楕円(だえん)体で表現。レーザーで取得する従来の点群と比べ、写真のようにリアルに近い3D空間が再現できる。データの容量を5分の1~10分の1程度に抑えられ、高性能PCでなくてもデータ表示可能だ。
 両社は3月、江戸~明治期に建設されたいなべ市の地下水路(延長約200メートル)で、クローラー型ロボットとガウシアン・スプラッティングの性能を検証した。
 水路の内部は狭く人が入って確認するのも難しい。完成時から時間が経過し、内部がどうなっているのか把握できていなかった。そこで悪路や狭い空間が走行できるクローラー型ロボット(全長80センチ、全幅50センチ)を4カ所の開口部から投入し動画を撮影。水路内の崩落箇所を特定して管理者の市に伝えた。
 ロボットは、手元のコントローラーで有線、無線の操作が可能だ。水路の内部状況は不明で、無線では延長20メートル程度の進入が限界のため、ケーブルを使って調査した。ケーブルで映像信号と機体制御信号を伝送。直径0・2ミリの光ファイバーケーブルをワイヤとゴムで補強し、1ミリ程度の太さにした。1キロ分の長さでも電工ドラム1個に収まる。運搬しやすく、衛星利用測位システム(GPS)電波の届かない場所でも深くまで進入できる。
 エイト日技の担当者は「多数のボーリング調査が必要だった場所でも、ロボットとガウシアン・スプラッティングを使えば、危険箇所の判断が可能になる」と展望する。掘削が最小限で済み、ピンポイント補修につなげられると期待する。今後は技術の開発・改良を重ね、地下構造物の適正管理などに役立てていく。