建設業技術者センター/高齢技術者進む就業機会確保、課題は柔軟な働き方

2026年7月10日 行政・団体 [2面]

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 建設業技術者センターは、高齢技術者のいる地域建設業の取り組みについての調査結果をまとめた。7社とその技術者の調査によると、努力義務として70歳までの就業機会確保などを求める高齢者雇用安定法に全社が対応し、技術者の事情に合わせた働き方を実現する環境を整えていた。高齢技術者が受注と施工で力を発揮している。全従業員が柔軟に働ける勤務制度を重要と考えていることが分かった。
 「高齢技術者の活躍支援により地域建設業が抱える課題を改善した優良事例調査」をまとめた。白石建設工業(愛媛県新居浜市)、小野組(新潟県胎内市)、久本組(大阪市)、田名部組(青森県八戸市)、旭建設(宮崎県日向市)、土志田建設(横浜市)、幸輝興業(岡山県倉敷市)の経営者、技術者などに回答を求め、高齢技術者に話を聞いた。
 高齢者雇用安定法の対応については、技術者の定年を70歳にしたり、定年を90歳としていたりする社がある。働く意欲のある人が定年後も働くことができる環境を整えている社があり、能力・パフォーマンスに基づく給与設計を導入していることで、定年前後を理由に給与を下げていない社があった。経営者からは、健康や家庭の事情でフルタイムの勤務が難しい社員が年齢に関係なく出るため、短日・短時間の勤務、在宅勤務などの柔軟な働き方は社員全体を対象に検討することを課題と捉えていた。
 監理技術者や現場代理人となることで入札参加や受注の機会を増やし、後輩だけでなく役所や同業他社からも信頼を得ている高齢技術者がいる。そうした事例も踏まえ、事情に合った働き方を実現するには、協議・合意した労働条件を労働条件通知書に反映する雇用契約が向いていると分析した。
 大切にしていることや後輩に伝えたいことに「自分の目で見る・自分で考えること」を挙げた高齢技術者がいた。図面との違いを感じ、次の工程に進むために必要な追加工事が分かるようなことを「ベテラン」と答えた人もいた。会社・同僚と高齢技術者の双方が「居心地良く感じる」空気を醸成する努力が重要と指摘する意見もあった。
 高齢技術者の活躍を含めた地域建設業の課題には、40歳代の技術者不足を挙げる社が多く、従来の3Kを克服している社や建設業の情報を届け、イメージアップに力を入れる必要があるとした。調査結果では、入職後も学びを続けたり、文系からの入職者を技術者として養成したりする取り組みを紹介している。インフラの老朽化が課題の中で、「手間が掛かる部分」を引き受け、その貢献が評価される仕組みがあるものの、「手間に対して費用が払われる仕組みになっていないようである」とも指摘した。