今国会に議員立法として提出された建築士法改正案と、政府が提出した改正建築物省エネ法が23日の参院国土交通委員会で可決された。会期末直前の24日の参院本会議で可決されれば成立する。将来の建築士を確保するため、在学中に建築士試験(1・2級、木造)を受験可能にするなど受験・免許要件を緩和。建築物の資材製造から施工、運用、解体までの全段階の脱炭素化を促進するライフ・サイクル・カーボン(LCCO2)評価制度を創設する。
建築士法改正案は22日の衆院の国交委と本会議で可決され、参院に送られていた。公布から3年以内に施行する建築士資格要件の見直しと、1年以内に施行する契約適正化に向けた規制強化の二つが柱となる。
在学中の受験は、大学などで一定の単位取得と卒業見込みを条件とする。2級が1級の免許を受けるために実務経験4年を必要とする要件を変更し、2級になる前も含めて実務経験が8年以上あれば2級の実務経験2年で1級免許を受けられるようにする。
2級は建築学科を卒業していない場合の受験・免許要件を緩和。現行はどちらも実務経験7年が必要だが、受験は2年、免許は4年に短縮する。建築設備士の資格制度は、建築士と同じく受験時の実務経験を不要とし、実務経験を登録時の要件とする制度を創設する。
書面契約の義務範囲は面積要件などを撤廃し、建築士が設計・工事監理を行うすべての契約を対象にする。建築士事務所の開設者に見積書の作成、契約当事者に見積もり内容の考慮の努力義務をそれぞれ課す。
建築物省エネ法改正案のうち、LCCO2評価制度は公布から2年以内に施行する。評価の実施を建築主の努力義務とし、一定規模以上の新築・増築で国交省への届け出を義務付ける。国交省が登録する環境性能認証機関から評価結果の第三者認証を受け、表示できる制度もつくる。新制度の創設に合わせ、改正後は建築物の「脱炭素化の促進」を加えた法律名に見直す。
省エネ性能の向上に焦点を当てた施策も拡充し、公布から1年以内に施行する。「上位住宅トップランナー制度」を創設し、大手の住宅供給事業者に高い省エネ性能の確保に向けた中長期計画の策定を課す。特殊な省エネ技術の導入を促すため、容積率の特例措置が受けられる「性能向上計画認定制度」の新たな認定ルートも創設する。










