出身地やゆかりのある土地を背負って土俵に上がる郷土力士の活躍は、うれしいものだ。26日に千秋楽を迎えた大相撲名古屋場所。静岡県で育った小欄は、同郷の関脇・熱海富士が県内出身力士として初優勝をかけて臨んだ本割と優勝決定ともえ戦のテレビ中継を、手に汗を握って見守った▼本割で関脇・安青錦を押し出しで破って12勝で並び、優勝決定のともえ戦に持ち込んだ。ともえ戦では大関・霧島を押し出しで下したものの、優勝を懸けた安青錦との大一番で、惜しくも寄り切られた。今年の初場所に続き、またも安青錦との優勝決定戦で涙をのんだ▼幕内で自己最多タイとなる12勝を挙げた熱海富士。NHKの解説を務めた元大関・琴風の琴風浩一さんは「化けましたね」と高く評価した。「前は引っ張り込んで、抱え込んで、という相撲が多かったんですが、本当に強くなりました」と、目を見張る成長ぶりをたたえた▼大相撲の世界は、徹底した番付社会や厳しい稽古で知られる。稽古の目的をきちんと理解し、現状から逃げずに課題を受け止め、改善を積み重ねる。たゆまぬ鍛錬の先にしか、1勝はないのだろう。








