回転窓/リーダーの器、二千年色あせぬ資質

2026年8月25日 論説・コラム [1面]

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 「三国志」の英雄・劉備は「語言少なく、善く人に下り、喜怒を色に形さず」と評された。寡黙で謙虚、喜怒を表に出さない。リーダーの資質を端的に示す言葉だ▼組織が危機に陥ると、部下はまず上司の表情を見る。「大丈夫なのか」「何か隠しているのではないか」と、言葉より顔色を必死に読む。だからこそ、リーダーが焦りや動揺をあらわにすれば、不安は瞬く間に広がる▼指揮官に求められるのは冷静さだ。だが現実には、声が大きく感情をむき出しにする人物ほど、「決断力がある」と勘違いされがちだ。机をたたき、部下を叱り、責任論を振りかざす。だが、それは決断力ではない。自らの感情を、周囲にぶつけているだけだ。己の心すら律せない人間に、組織を制御できるはずがない▼もちろん、無表情でいればいいわけではない。必要なのは感情を隠すことではなく、激情に飲み込まれないことだ。厳しい現実を直視しながら平静を保ち、人を安心させる言葉を選ぶ。その姿勢こそが、組織を立て直す力になる▼劉備の評価は二千年近くを経ても色あせない。リーダーは最後まで冷静でいる。その器は、逆風の中でこそ分かる。

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