最大震度7を観測した「26年熊本地震」は、28日に発災1カ月を迎える。猛暑や余震が続く中、被災地では地域の建設会社らが休日を返上し昼夜を問わずインフラの早期復旧に尽力。高速道路の通行止めと新幹線の運休が一部区間で続いているが、交通インフラの応急復旧にめどが付いた。月末には断水が解消する見込みとなり、応急仮設住宅の建設工事も進む。応急対応から本復旧へとフェーズが移ろうとしている。=2、3、9面に関連記事
地域建設業の応急復旧活動を指揮した熊本県建設業協会の前川浩志会長は「1カ月で延べ1万4000人以上の会員が道路や河川の応急復旧、家屋へのブルーシート設置などに当たった」という。25日時点で、直轄高速を除く直轄国道は通行止めはない。国管理河川も全ての被害箇所の応急復旧を7日に完了している。
熊本県内の国道3号(宇城・八代地域)は、応急復旧工事を終え7月29日に通行止めが解除された。だが路面の亀裂や段差が発生し、平たん性が損なわれて速度低下や混雑が起きた。
国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所は、路面の損傷が激しく、走行性が特に損なわれている箇所を対象に、集中的な舗装補修工事を行う「ピンポイント路面改善作戦」を展開。地域の建設会社らが、夜間に片側交通規制をしながら舗装面を復旧した。熊本県とも連携し、県道14号を迂回(うかい)路に国道3号を補修し、生活道路を取り戻した。
国管理河川では、白川3カ所、緑川44カ所、球磨川44カ所の計91カ所で被害が発生。中でも球磨川堤防では約250メートルにわたる堤防の沈下や亀裂などの被害が起きた。八代市を流れる下流部に位置する萩原堤防は、大きく湾曲する水衝部に位置し、背後に八代市街部を抱えている。
台風13号が接近する中、八代河川国道事務所は断層の影響で大きく変状した3カ所について、24時間態勢で緊急復旧工事を行った。他の被災箇所でも応急復旧工事に順次着手。地域の建設会社らの奮闘で、全ての工事が発災後10日で完了した。
国交省は被災した八代港で利用可能な岸壁の安全確認を急いだ。農林水産省の要請も受け約3万トンの飼料を輸送する船舶の入港を確保し、地域の畜産業や物流機能の維持に貢献した。八代港の本格復旧に向け、九州整備局が「八代港被災施設復旧技術検討委員会」を設置。被災施設の本格復旧に向けた技術的な検討を進めており、9月にも復旧設計方針をまとめる。
地震発生後、最大で約10万8000戸が断水した。国交省や日本水道協会が水道技術者を全国から派遣し、点検・応急復旧作業に当たった。月末にも全て解消する見通しで、宅内配管(水道本管の分岐部から蛇口まで)の修繕工事の需要増を見据え、国交省はコールセンターを26日に開設。被災者の問い合わせを一元的に受け付け、対応可能な工事会社を紹介していく。







