群馬県沼田市の職人育成校・利根沼田テクノアカデミー(桑原敏彦校長)が、配管設備など建設業で培った技術を生かし、アクアポニックス事業を本格化させる。魚のふんに含まれる栄養を肥料として水耕栽培で野菜を育て、市内の小学校給食に使う。2025年度に沼田市の「森林文化都市ぬまたソーシャルイノベーター支援事業」に初めて採択され、8月29日には市や建設業振興基金(振興基金)など関係者を招いてキックオフイベントを開いた。
アクアポニックス事業では、同アカデミー平川校(沼田市)の水槽で約370匹のテラピアを飼育している。ふんに含まれる栄養を肥料にして、小松菜とレタスを水耕栽培。小松菜は市の学校給食センターに納品が決まっており、年間約2・6トンを供給する。
利根沼田テクノアカデミーが培ってきた配管や板金の技術を生かし、テラピアの水槽やろ過装置、野菜の栽培設備を組み立てた。野菜は地域の生産者と競合しないよう、生産量が不足している品種に絞って育てる。建設業と農業、子どもたちの食育をつなぐ、地産地消のモデルを目指す。
キックオフイベントの冒頭、桑原校長は「板金や設備など、多能工としてのスキルを生かした農建連携の取り組みだ。試行錯誤を重ね、事業化にこぎ着けた」と述べた。「建設業と農業は『ものをつくる』点が共通している。コラボレーションして幅広く展開していきたい」とも話した。
続いて、関係者らが水槽やろ過装置、栽培設備を見て回った。星野稔沼田市長は「循環型農業のモデルとして、地域の未来を切り開く可能性も感じている」、振興基金の長谷川周夫専務理事は「建設業が地域のさまざまなニーズの核となることをうれしく思う」と話した。










