26年熊本地震/国交省ら、建築物被害の原因究明に着手/26年度内に取りまとめ

2026年9月2日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省と建築研究所(建研)は8月31日、26年熊本地震で被災した建築物の構造被害について原因究明に着手した。日本製紙八代工場での煙突倒壊や八代市庁舎の免震装置の被害などが焦点となる。2026年度内に検討結果を取りまとめ、今後の対策の方向性を示す方針。同日、「令和8年熊本地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会」の初会合を開いた。
 委員会では国土技術政策総合研究所(国総研)が、築45年を超える木造住宅に倒壊被害が目立っているとの現地調査結果を明らかにした。
 今後議論する事項として▽煙突被害の原因分析▽免震建築物被害の原因分析▽天井や設備など非構造部材の被害の原因分析▽低層木造建築物の被害調査-などを挙げた。
 現行の耐震基準の導入前後の建築物被害調査や認定長期優良住宅、耐震等級2、3を取得した住宅の被害調査と原因分析も行う。10年前の熊本地震を受け、耐震補強した建築物の効果分析も実施する。
 委員からは、煙突倒壊被害と免震建築物の被害を巡って「周期が長く揺れ幅も大きい『長周期地震動』の影響を調査するべきだ」や「コンピューター上で建物モデルに地震動を入力し、性能を確認する『時刻歴応答解析』を調査に用いるべきだ」などの意見が出た。今後、これらを踏まえて原因分析を進める。
 国総研や建研が実施する被害調査に加え、関係機関の調査結果や関連データなどを幅広く収集し分析を進める。被害の特徴や発生要因を整理し、建築物の構造に関する安全性確保に向けた対策につなげる。
 国交省は発災後、日本製紙八代工場の煙突倒壊被害を受け照明車の派遣などによる支援を行った。同省は煙突など建築物の耐震性に関する認定制度を所管していることから、専門的な知見を生かした技術的援助なども実施する。
 1日の閣議後会見で金子恭之国土交通相は煙突倒壊被害に関し「委員会での検討結果を踏まえ、関係省庁と連携し法規制を含めた具体の再発防止策を検討していく」と話した。