〈配慮ある報道、取材をよろしくお願いしたい〉。7月28日に最大震度7を観測した地震が発生した熊本県で、被災状況を伝えている報道機関に木村敬知事が苦言を呈する場面があった。遺族や被災者に対する報道は加熱する傾向が強い。目に余る行為を見過ごすことができないからこそ出た発言だろう▼熊本に限らず、被災地を取材する報道機関の行動は厳しい目を向けられることが多い。阪神・淡路大震災では、街の様子を伝えるヘリコプターの音がうるさく、救出の妨げになった▼被災者の不安を少しでも和らげようと奔走する自治体職員へのインタビューもタイミング次第で業務の妨げになる。取材と称して無遠慮に振る舞う姿勢は看過できない▼小欄が新聞記者として初めて災害を経験したのは15年前の東日本大震災。復旧支援を行っている東京都の取材を任された。被災地に足を踏み入れたのは、発災から1年がたった時だった▼情報を得るため、記者はアンテナを張っている。取材が行き過ぎることもあり、それが正しいことなのか悩むことも。被災地に有益な情報を届けるための取るべき行動をもう一度考えたい。








