名古屋市は、先進技術の研究開発や社会実装を促進する先進技術社会実証支援事業「Hatch Technology NAGOYA」の本年度の実証プロジェクト8件を決定した。建設関連では、上下水道局の「地下に潜む危険をゼロに-無人点検×AI診断で下水道管調査DXの高度化実証」は大成建設、緑政土木局の「街路樹点検の新技術実証!全国でも多発している倒木事故を減らしたい!」は古河電気工業が実証事業者となり、いずれも9月に取り組みをスタートした。2027年2月に成果を取りまとめ、同3月に成果を発表する。
先進技術社会実証支援事業は、庁内から集めた行政課題や社会課題に対し、先進技術を活用した解決策を企業などから広く募集。選定した実証プロジェクトに対し費用の一部負担や専門家によるマネジメント支援などを行う。
上下水道局のプロジェクトは保全課が担当する。管径800ミリ以上の下水管の調査は管路に人が入って行うが、酸欠や有毒ガスの発生、急な流量増加など作業には危険が伴っていた。人材不足も深刻となる中で、撮影した映像による劣化判定作業の効率化も課題となっていた。
実証事業では、360度カメラを取り付けたドローンで管路の内部を撮影する。誰でも簡単に操作できるよう常に管路の中心を進むソフトウエアも開発する。過去の調査データを活用し、AIによる画像診断技術も検証する。
保全課の担当者は「ドローンやAIの活用により、調査時の安全性の確保や調査時間の短縮が期待される。新しい技術による調査業務の高度化を目指していく」と話した。
緑政土木局のプロジェクトは緑地維持課が担当する。22年に栄地区で発生した倒木事故を踏まえ、約9万本の街路樹を対象に月1回の巡視と、市の講習を受けた有資格者による年1回の点検を人力で行っていたが、26年には久屋大通などで再び倒木が発生したことから新技術の導入を検討していた。
実証事業では樹木医の知見を学習させたAIを活用する。車載カメラと巡回担当者のカメラの映像から異常の兆候がある樹木をスクリーニングし、木が倒れる前に対策を講じる。対象はケヤキ3500本。
緑地維持課の担当者は「目視による巡視では見落としてしまう危険性を、新技術の力を借りて発見していく。倒木の危険性をなくし、安全・安心な生活を確保したい」と語った。









