この人に聞く/大阪建設業協会会長・浅沼誠氏/やりがい、魅力を若者に

2026年9月16日 人事・動静 [10面]

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 大阪建設業協会(大建協)の会長に5月22日付で就任した淺沼組の浅沼誠社長。万博跡地の開発や大阪IR、鉄道新線「なにわ筋線」など大型プロジェクトが続く一方、建設業界は担い手不足や働き方改革、生産性向上など課題への対応を迫られている。会員企業の結束力を強みに、行政・関係団体との対話を重ねながら業界の持続的な発展を目指す浅沼氏に、今後の展望を聞いた。
 --会長就任の抱負を。
 「諸先輩が築いてきた協会の基盤と会員企業の結束力を生かし、協会運営に尽力したい。2025年大阪・関西万博では、建設業界として大阪の発展に貢献できたと自負している。今後も大規模再開発やデータセンター、物流施設、ホテルなど堅調な建設需要に応えていく必要がある。公共事業でも防災・減災や国土強靱化など建設業の役割は大きい。ただ、担い手不足や安定的な事業予算の確保など課題も山積している。会員の声を聞き、発注機関との対話や要望活動を通じ、課題解決に取り組む」
 --協会の重点施策は。
 「建設産業の健全な維持・発展に向けた制度改革、資材価格高騰・供給不足への対応、担い手確保、働きやすい職場づくり、生産性向上、若手育成、防災体制の構築を柱に取り組む。第3次担い手3法など制度の変化を会員企業に周知するため、講習会や研修などを充実させる」
 「担い手確保では『わかものきたれ!プロジェクト』を通じて若者へのアプローチを強化する。大学生と会員企業の交流の場となる『けんせつWORKフェスタ』『けんせつWORKラウンジ』に加え、親子現場見学会やショート動画など、建設業に触れる機会を増やしたい。さまざまなツールを活用し、仕事のやりがいや魅力も発信する」
 「働きやすい環境づくりでは、働く人の健康と安全が最優先だ。公共工事では週休2日を基本に、猛暑期間への対応も進んできている。夏季はサマータイムや変形労働時間制など、現場の実情に応じた柔軟な対応も選択肢になる。ただ、施工条件は現場ごとに異なり、各社の判断となる場合も多い。会員各社の事例を収集・共有し、業界全体で活用できるかを検討していく」
 「生産性向上ではDXの推進が鍵になる。中小・中堅企業の生成AI活用を支援するとともに、施工改善事例を共有し、業界全体の底上げを図る。個社では限界があるため、好事例の水平展開が重要だ。災害対応では、南海トラフ地震や豪雨に備え、国や自治体との災害協定に基づき迅速に行動できる体制を整える。広域災害では他団体とも連携し、地域の守り手として被災地の復旧・復興や生活再建を支えたい」
 --女性活躍の推進は。
 「現場の女性技術者は増えており、『なにわ建女の会』の活動を充実させ、女性同士の交流やキャリア形成を支援したい。現場の声も積極的に行政へ伝えるなど、女性が長く活躍できる環境整備に力を注ぐ」
 --若者へのメッセージを。
 「建設業は国民の安全・安心、快適な暮らしを支える産業だ。働き方改革やDX、給与水準の向上、週休2日など、働く環境も変わりつつある。私自身、現場で暑さや寒さの中で仕事をし、建物の仮囲いが取れて躯体が見えた時の感動を今でも覚えている。携わった建物やインフラが形として残ることは、大きな誇りであり、やりがいだ。若い人たちにこそ、仕事の現場を見て、ものづくりの魅力を感じてほしい。大建協としても、そうした出会いの機会を増やしていきたい」。
 (あさぬま・まこと)1996年関西大学経済学部卒、淺沼組入社。2015年執行役員、18年4月副社長執行役員建築事業本部長、同6月社長。趣味はゴルフ。奈良県出身、54歳。