国土交通省が建設業政策の新たなビジョンの具体化に向け、個別課題の一つとして建設会社の評価制度に焦点を当てたワーキンググループ(WG)の初会合を17日に開いた=写真。経営事項審査(経審)や専門工事会社の施工能力などの「見える化評価制度」といった現行制度の運用状況を検証。今後必要とされる評価の視点や活用促進策の論点を年度末までに整理する。公共・民間工事や元請・下請など建設市場の幅広い領域を包含しつつ、評価企業が取引先や求職者などから適切に選ばれるような制度の在り方を模索する。=2面に関連記事
7月に立ち上げた有識者会議「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」傘下に「企業評価WG」を設置した。検討会では持続的な成長を支える建設会社を適切に評価する在り方を課題に挙げる。重要性が増す企業の成長力や経営能力、人的資本投資、生産性向上などは現行制度で十分に追い切れていない。経審では公共工事を直接請け負う元請会社に評価が限定されるなど、評価結果を見る側で活用の広がりに欠ける側面もある。
WG座長を務める蟹澤宏剛芝浦工業大学建築学部教授は「この業界では『正直者がばかを見る』と言われ、長いこと危惧されてきた。しっかりした企業を評価し、競争で不利にならないようにするのは積年の課題だ」と強調した。技能者を雇用する会社が対象の見える化評価制度は運用後6年がたつが、取引先や求職者に参考にされているかはよく分かっていない。評価を受けた企業も数百社に過ぎず、インセンティブになっていない可能性がある。
議論の材料にするため国交省は関係者へのヒアリングを始める。主要な建設業団体や各団体に加盟する元下双方の個社、民間発注者、労働市場・教育関係者などを対象にする。評価そのものではなく、それを活用してこそ価値を持つことに重点を置き、現行制度の課題や今後のニーズを個別に聞く方針だ。伊勢尚史不動産・建設経済局建設業課長は「(評価結果を)誰に見てもらい、何に使うかを詰めていけば、誰の何を評価すればいいか見えてくるのではないか」と展望する。








