国土交通省は、道路関係者が連携し、地上・地下の空間を一体的にマネジメントする体制を構築する。道路施設や占用物件、路面下空洞などの情報を地図上に重ねて表示できる「道路空間情報プラットフォーム」を整備し、道路の維持管理や修繕などに活用する。2027年度内の構築・運用開始を目指す。順次、表示できるデータを充実させる方針だ。
道路施設や上下水道管、ガス管、電気・通信設備などの占用物件に加え、地質、空洞、陥没などの情報を一元管理する。国や地方公共団体などの道路管理者をはじめ、ガス・電気・通信事業者などの占用者、民間企業、研究機関、市民が閲覧できるようにする。プラットフォームの構築に向けた経費を、27年度予算の概算要求に盛り込んだ。
背景には、25年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故がある。地下に埋設された下水道管の腐食などが事故の一因となった。事故を受けて国交省が設置した検討会は提言で、道路管理者と占用者が連携し、占用物件の点検計画などを確認することや、効率的な路面下空洞調査の実施などを通じて、適切に維持管理する必要性を指摘した。地下空間情報のデジタル化と統合化も求めた。
提言では、管理者や現場の担い手に向けた技術面での「見える化」を推進するとともに、インフラの老朽化を市民が「自分ごと」として捉えられるよう、情報発信を充実させる必要性も指摘した。
地下施設の老朽化などに起因する道路陥没事故は全国で発生している。21~25年度の道路陥没件数は累計5万3816件に上る。このうち、道路排水施設が要因の陥没は2万0387件(37・8%)、道路占用物件が要因の陥没は9391件(17・4%)で、二つを合わせると全体の55・2%を占める。
今夏に成立した下水道法と道路法の一部改正法に基づき、国交省は、道路管理者と占用者が連携して点検や修繕などを行う「占用物件等維持修繕協定」制度を創設した。地下に埋設する占用物件の竣工図の提出を義務付ける規定なども盛り込んだ。
国交省は、プラットフォームを通じた情報共有によって関係者間の連携を促し、道路マネジメントの強化や効率化につなげる考えだ。
プラットフォームの活用で工事や点検などの事前調整が可能となり、業務の効率化やコスト削減が見込める。インフラの状態に関する情報を市民に提供し、必要な更新などを先送りしないための使用料負担で、理解と協力を促す。







