東大、大成建設/極限環境研究へ施設開設/深海や構造物内部、資源利用・管理高度化

2026年10月20日 行政・団体 [1面]

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 東京大学は、大成建設が寄付した10億円を活用し、大学院工学系研究科に付属する教育研究施設を開設した。開設日は1日。「プラネット・フロンティアイノベーション研究センター」として、設置期限を設けずに運営する。学術と建設事業で培った知見を融合させ、シナジー(相乗効果)を発揮。人による直接の介入や内部状態の確認が難しい地下・深海や構造物内部を「極限環境」と捉え、新たな技術標準の構築などを通じて、資源利用や維持管理の高度化を目指す。
 19日、東大の藤井輝夫総長と大成建設の田中茂義代表取締役会長が都内で会見し、活動方針を説明した。企業からの寄付金を基金(エンダウメント)として積み立て、運用益を恒久的な研究活動などの財源に充てる。
 東大がゼネコンとエンダウメント型の研究組織を立ち上げるのは初めて。当面は、公募中の専任教授2人と兼務教員4人、国際公募を予定する専任准教授1人で運営する。
 人が直接立ち入ることが難しい深海や大深度地下に加え、身近にありながら内部の状態が目視で確認しにくいインフラや建築物を極限環境と捉える。人類の活動領域を広げる深海・大深度地下での資源・エネルギー利用の高度化に加え、インフラや建築物の長寿命化、維持管理の高度化に貢献する。
 両者の知見を融合した共通研究基盤として、▽3Dモデルに時間軸を加えた4Dモデル▽地層や構造物内で起こる反応・物質移動の解析・制御▽長期性能を維持し、資源循環にも有効な革新材料-の三つを確立する。長期的な視点で分野横断的な研究を推進。国や自治体への提言、東大発スタートアップの設立も視野に入れ、新たな技術標準の構築と実用化を目指す。将来のフロンティア開発や都市づくりなどをけん引する人材の育成にも取り組む。
 藤井総長は「10~20年の長期視点で新しい学問を生み出したい」と話した。田中会長は「持続可能で確かな足跡を残せるよう、責任を持って東大を支えたい」と述べ、「当社以外の建設会社や幅広い産業の企業などにも参加してもらいたい」と呼び掛けた。センター長に就任した東大大学院工学系研究科の石田哲也教授は「海外の研究者も招くなどして世界にもPRしたい」と語った。