産業構造審議会(産構審、経済産業相の諮問機関)の意匠制度に関する有識者委員会は20日、仮想空間やAI技術に対する制度の在り方について議論した。仮想空間のデザイン(意匠)について、法改正せずに現行の意匠制度の保護の枠組みで画像を保護する措置を検討する方針を確認した。制度の利用者やクリエイター向けに考えを整理したガイドを作成することを決めた。建築デザインを含めたAIによる自律デザインの保護について引き続き調査と検討を行う。
意匠制度小委員会が会合を開いた。仮想空間のデザインを巡っては、画像として表現される保護の対象を物品や建築物に限定せず、空間やアバターなども含めた上で、画像の用途や機能に着目して類似しているかの類否判断を行う方向としてきた。有識者意見などを踏まえ、これまでの検討成果となる原案を一部修正し、保護の対象をこれまでの「仮想物品等の形状等を表した画像」から、「仮想オブジェクトの形状等を表した画像」とし、画像と関連機器との関係性も考慮する方向に修正する。仮想空間上のサービスを利用する現実空間の利用者に対して、仮想オブジェクトがどういった役割を果たしているかなどにも着目する。
今後は法改正を伴わない現行の意匠制度の下で画像の保護の考え方を検討していく。修正案は、保護の対象になる仮想オブジェクトの形状等を表した画像の事例に、インテリアのシミュレーションサービスの中で、仮想空間に任意に配置できるソファの形状を表した画像を挙げた。現行意匠制度に基づく操作画像、表示画像に該当するのが理由だという。そうした画像の保護の可能性や権利化の手法は、制度の利用者やクリエイターの理解が十分に進んでいないため、考え方や事例をまとめたガイドを作成し、明確な情報を提供する。
生成AIの自律デザインについては、保護の在り方についての国内外の関心が高いながら、意匠法からの保護としては「必要がない」「保護せざるを得ない」「困難」などさまざまな意見がある。業界ごとに意見も異なるとされる。対応の方針を約1年半で転換した国もある。小委員会では、AI技術の水準、自律デザインの先行き、諸外国の最新の検討状況を注視しながら、引き続き意匠制度の在り方を調査、検討していく。







