東北アライアンス建設(TAC、福島県郡山市、陰山正弘社長)が、東北地方の枠を超えた広域連携に乗り出す。栃木県の地場ゼネコン2社が出資を通じて参画する。東北を主要な事業エリアとしながら、担い手の確保や技術継承、生産性向上といった建設業界共通の課題に連携して取り組む。当面は大規模災害に備えた相互支援体制の構築を目指す。持続可能な地域建設業の実現に向けた東北発の連携モデルが、新たな段階に入る。
TACは27日に開いた株主総会で、増渕組(宇都宮市、増渕勝明社長)と斉藤組(栃木県小山市、斎藤和実代表取締役)を引受先とする第三者割当増資による新株発行を決議した。資本金を現在の7000万円から増額する。両社は栃木県内を中心に、建築・土木工事を幅広く手掛ける。
TACは東北の発展と参画企業の成長を目的に、2025年6月、東北6県の地域建設会社7社とみずほ銀行の共同出資で設立された。7社の協力会社などで組織する「東北トラスティア事業協同組合」(藤本宏涼理事長)も設立。共同購買や人材交流などを進めてきた。
参画企業によるJV組成を通じた工事受注や、異業種との協業にも取り組んでいる。各社が対等な立場で連携する「並列型」の組織運営を特徴とし、地域建設業の新たな共創モデルを目指す。今回の2社の参画により、活動領域の拡大が見込まれる。
直近の通期決算を基に両社を含む参画企業の実績を合算すると、完成工事高は938億円から1088億円に増加する。社員数は2150人から2323人、協力会社数も653社から839社に増える。2社の協力会社などが東北トラスティア事業協同組合にどう関与するかは、今後協議する。
陰山社長は2社の参画経緯について「TAC設立後の間もない時期に面談の申し入れがあり、意見交換を重ね当社の取り組みに賛同された」とコメント。「今回重視しているのは単に企業規模やエリアを拡大することではない」と指摘し、今後も東北を活動の基盤としながら「地域を越えた連携で業界や社会課題の解決に貢献したい」としている。
今後の活動は「TACと2社の災害協定締結を最優先し、相互に支え合える広域的な対応体制の構築を目指す」方針。具体的な計画はこれから詰めるが、「各社の独立性を尊重し、TACの理念に共感する企業との連携を検討する」考えで、参画企業のさらなる拡充も視野に入れる。








