回転窓/健全な競争環境実現のために

2026年11月2日 論説・コラム [1面]

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 土木学会建設マネジメント委員会の「公共工事の価格決定構造の転換に関する研究小委員会」が2年前、興味深い提言をまとめた▼その骨子は、応札者が適正な労務賃金の支払いを前提に、必要な経費や利益を積み上げ、競争状況も考慮して入札価格を決めるというもの。発注者の定めた上限(予定価格)と下限(低入札調査基準価格など)により実質的に誘導されて価格が決まるのではなく、市場原理に基づく適切な価格となる仕組みへと転換する▼提言を委員長としてまとめた元国土交通省近畿地方整備局長の木下誠也氏(社会基盤マネジメント研究所代表理事)が先月20日、死去した。愛媛大学や日本大学などで教授を務め、後進の育成とともに長年にわたり公共調達の研究に力を注いできた▼下請や労働者へのしわ寄せ、入札の不調・不落を防ぎ、受注者に創意工夫のインセンティブが働くにはどうすればいいのか。小委員会の提言にはそうした道筋が示されている▼戦略的な社会資本整備を効率的に進めるためにも、健全な競争環境を創造する公共調達制度へ--。これからも木下氏が訴えてきたことを胸に刻みたい。

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