国土交通省が発注した道路・河川工事、港湾・空港工事の8割弱で土日閉所を基本とした4週8閉所以上を達成していることが、日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)の調査で分かった。農林水産省発注の工事も7割強となったが、鉄道や電力など民間工事は5割を下回り、官民の現場にばらつきがあった。日建連は全ての発注機関に対し、既に契約している工事を含む全工事で土日閉所による週休2日制工事(完全週休2日)の原則導入を求めていく。
調査は2024年11、12月に実施した。対象は会員企業58社。23年10月~24年9月末に竣工したか施工中だった3億円以上の土木工事(高速道路や鉄道など民間工事を含む)の現場に対し、閉所や時間外労働の実態を聞いた。
回答1486現場のうち「土日閉所による4週8閉所以上」が61%と最多。次いで「4週6閉所」(12%)、「4週8閉所以上(通期)」(10%)、「4週7閉所」(8%)と続いた。
発注機関別に「土日閉所による4週8閉所以上」の実施状況を見ると、「国交省(道路・河川)」「国交省(港湾・空港)」が各78%と最も割合が高く、「農林水産省」の72%が続いた。一方、割合が低かったのは「機構・事業団」(37%)、「電力会社」(41%)、「民間鉄道」(44%)だった。
完全週休2日の課題としては、荒天などの事情により休工となった場合、柔軟な振り替えの難しさがある。従来の通期・月単位の週休2日で土日に振り替え可能だった「連続作業が土日に係る場合」「金曜夜間作業の場合」なども、完全土日閉所になると振り替えができない。このため同じ工事数量でも日数が増えることから、余裕を持った工期設定が必要となる。
日建連は全発注機関に完全週休2日の原則導入を要望。災害発生を含め受注者側の要因で完全週休2日が困難となった工事は、施工途中で交代制に切り替え可能な仕組みを導入するとともに、増員となる技術者や生産性向上策にかかる費用を設計変更で適切に負担してもらうことも訴えていく。