日建連が総会/全現場を4週8閉所に、魅力あふれる業界へ一丸

2025年5月12日 行政・団体 [1面]

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 宮本洋一会長をトップとする日本建設業連合会(日建連)の執行体制が3期目(2025、26年度)に入った。9日に東京都千代田区のホテルニューオータニで開かれた定時総会・理事会で宮本会長ら代表理事の再任が決定。宮本会長は「『適正工期確保宣言』の一層の推進や生産性向上を図り、全現場での4週8閉所達成に向けて、さらなる働き方改革を進める」と力を込めた。「新4Kの魅力あふれる業界へ会員一丸となって取り組む」と訴えた。=2面に関連記事
 日建連は25年度事業計画で重点方針として▽新長期ビジョンの策定・公表▽適切な労務賃金の実現など技能者の処遇改善と4週8閉所の実現-など8項目を掲げた。
 宮本会長は時間外労働の上限規制適用から1年が経過したことに対し「多くの関係者の理解と協力で週休2日の実施、時間外労働時間の削減は着実に進んでいる」と評価した上で、さらなる働き方改革が必要と主張。適切な労務賃金の実現など技能者の処遇改善、4週8閉所の実現に注力する考えを示した。技能労働者の賃上げは「労務費見積り尊重宣言」などを通じて協力会社と連携しながら、賃金が担い手まで行き渡るよう努める。
 建設事業関係者のウインウインな請負関係を構築するため「建設業法などの改正で新たな請負契約のルールが導入されたことを契機に、発注者や元請企業、協力会社など関係者間で一層コミュニケーションの促進を図り、契約の適正化に取り組む」とした。「民間建設工事標準請負契約約款」の早期改正にも積極的に働き掛ける方針を示した。
 防災・減災、国土強靱化、インフラ老朽化対策をはじめとした積極的な公共投資の実現に向け活発に活動する。公共事業費については「ここ数年の労務費の上昇・資材価格の高騰などにより、実質目減りしてきている」と懸念した。埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故を引き合いに「日本経済を支える屋台骨である既存インフラの老朽化が加速度的に進行している」と指摘。政府が策定する「国土強靱化実施中期計画」に基づく事業などを着実に進められるよう当初予算の増額、公共事業関係予算の十分な確保を関係各所に働き掛ける。
 新長期ビジョンは50年を見据えた内容で策定中。7月ごろに建設業に関わる幅広い関係者が共有できる新たな指針や具体的な方策を提示する。