総務省・経産省WG/データセンター整備で考え方、要件検討し一定規模で集積

2025年5月20日 行政・団体 [1面]

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 データセンター(DC)の在り方を検討している総務、経済産業両省の有識者ワーキンググループ(WG)は19日、立地や集積に関する考え方を大筋でまとめた。一定規模の集積が「望ましい」とした上で、電力インフラの整備状況などを考慮しながら候補エリアを検討するのが妥当という考えを示した。災害のリスク、土地の広さなど運用を想定した「要件」を踏まえた集積の検討を提案した。産業政策を巡る政府の検討に反映されることになる見通し。
 両省のワット(電力)・ビット(通信)連携官民懇談会のWGが、同日示された「DCの立地の進め方案」を妥当と判断した。懇談会は6月に進め方を決定し、政府に報告する。
 進め方案は、DCの▽足元の需要への対応▽集積拠点の実現▽運用の高度化-の対応をまとめた。
 生成AIの利用が進むことなどからDCは旺盛な需要がある。同案は、集積地の選定について、コストと時間を伴う電力・通信インフラの整備、機器の更新、コンピューティングリソースの効率的な運用などを考慮すると、「1カ所に一定規模で集積することが望ましい」とした。電力インフラ整備の現状と将来から候補エリアを検討し、強靱性の配慮から「既存の集積拠点から分散させる」とした。経産省によると、集積を検討するに当たっての要件は「これからの検討になる」(幹部)という。
 電力・通信インフラは、短~中期と中~長期の対応を示した。電力は、中期までの取り組みとして、電力会社の「ウェルカムゾーンマップ」を活用し、電力供給を早く開始できる適地に需要を誘導。電力を真に必要とする事業者に電力が供給されるよう、系統接続の空き容量のルールを見直す。全体最適を前提に、工期、既存設備の拡張、レジリエンスなどの観点から選定された集積地に対するインフラ整備は、中期以降で進める。
 通信インフラは、次世代ネットワークの研究開発を推進しつつ、中期以降の取り組みにDCの集積と整合した国際海底ケーブルの敷設や、中小規模DCへの対応を挙げた。電力負荷を移動する技術によって、中小規模DCの分散立地が見込めるとの考えも示した。