24年度土木学会賞決定/功績賞に田中茂義氏ら、6月13日表彰式

2025年5月20日 行政・団体 [1面]

文字サイズ

 土木学会(佐々木葉会長)は19日、2024年度の土木学会賞を発表した。功績賞や技術賞など20部門で計120件を選定した。表彰式は6月13日に東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで開く。=12面に詳しく
 土木工学の進歩や土木事業の発達、学会活動の運営に多大な貢献があった会員に贈る功績賞には▽島谷幸宏(熊本県立大学特別教授)▽田中茂義(大成建設代表取締役会長)▽西村和夫(東京都立大学名誉教授)▽細川恭史(海域環境研究機構技術顧問)▽山本修司(沿岸技術研究センター参与)-の5氏を選んだ。
 島谷氏は河川の環境や防災に関する問題への取り組みや流域治水に関する研究成果を基に、インフラ整備に大きく貢献し農学や人文・社会学など分野を横断した学問体系の確立に尽力した。田中氏はプレストレストコンクリート(PC)橋を代表する技術者として設計・施工に従事。海外の新技術を積極的に導入するなど、PC橋梁技術の新展開の礎を築いた。
 西村氏はトンネル支保構造や耐震性などに関する各種研究、トンネルの建設・維持管理の両面で数値的評価手法を取り入れるなど土木工学分野の学術の深化に貢献した。細川氏は、浚渫土砂の有効活用による干潟生態系の再生と生態系機能に関する研究に取り組み、自然共生型土木工学という新たな土木工学の分野を切り開いた。
 山本氏は港湾分野の大型プロジェクトで新しい技術や設計法を導入。国内の技術基準の性能規定化に沿った港湾整備に関する基準作成・指導助言、設計技術者の指導育成に取り組んだ。