熊本県菊陽町/土地開発公社を新設、開発事業のスピードアップに期待

2025年7月11日 行政・団体 [11面]

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 熊本県菊陽町は工業団地など複数の土地開発事業が計画されていることを受け、事業の円滑化を目的に土地開発公社を新設する。6月の町議会で公社新設に関する議案が承認され、県に対して設立の認可申請手続きを行った。町内では原水地区で約70ヘクタールの土地区画整理事業や、約24・2ヘクタールに及ぶ工業団地の造成が計画されている。公社設立により用地取得や造成に必要な予算執行などを機動的に行うことができ、開発事業のスピードアップが期待される。
 公社は町の100%出資となる。公社設立は議会承認を待たずに地価が安いタイミングで土地の先行取得が可能となるなど、事業の迅速化に大きなメリットがある。県から設立認可を受ければ、すぐに登記手続きなどを経て正式に設立となる。
 原水地区ではJR豊肥本線原水駅の周辺から同駅西側に設置予定の新駅周辺までの一帯を対象に、町施行の土地区画整理事業が計画されている。現在、施行区域を確定させる確定測量を進めており、2025年度後半には換地設計に着手する。確定測量業務はARIAKE(熊本市南区)が担当。
 町は土地区画整理事業の都市計画決定に向けた手続きを進め、26年度にも県の事業認可を取得する予定。28年度から順次、造成工事に着手する。
 同地区では半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場の南側でも新たな工業団地整備が計画されている。月内にも基本設計や用地補償調査の委託先を選定する指名競争入札の手続きに着手する。
 26年から地権者との用地取得交渉を本格化させる。県道拡幅工事の完了する28年度以降に造成工事に着手し、31年度の分譲開始を見込んでいる。