自民党の国土強靱化推進本部(本部長・佐藤信秋参院議員)と内閣第一部会(部会長・國場幸之助衆院議員)は29日、東京・永田町の党本部で会合を開き=写真、第1次国土強靱化実施中期計画について議論した。政府が公表した素案で計画期間内の事業規模を「おおむね20兆円強」としたのに対し、出席した議員からは十分な事業量確保を「後押しする」意見が相次いだという。同本部と同部会は会合での意見を踏まえ提言をまとめ、近く政策審議会総務会で正式決定。その後、石破茂首相に提出する方針だ。
会合後、取材に応じた佐藤氏は実施中期計画に盛り込まれた施策数が、現行の国土強靱化5か年加速化対策と比べ倍増していると指摘。その上で「実施中期計画は(事業規模を明確に示した)5か年加速化対策とは考え方が違う。20兆円を超える部分は政治の側から政府に継続的かつ力強い要請が必要」とし「2倍までは“強”の範囲内だ」との見解を示した。
佐藤氏は素案で324施策となっていた「実施すべき施策」が、最終的に326施策に増える予定とも明かした。埼玉県八潮市で起こった道路陥没事故を例に挙げ「下水道は公営企業なので運営は利用料金で賄うのがこれまでの考え方だったが、もはや限界がある。国がどこまで関与すべきかは今後議論すべき問題だが、そうした観点も(実施中期計画に)盛り込む必要がある」と述べた。
政府は実施中期計画の最終案を有識者でつくる「国土強靱化推進会議」に近く提出する予定。早ければ6月上旬に閣議決定される見通しだ。