日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の進藤孝生会長(日本製鉄相談役)は2日、総会後に記者会見し、開発プロジェクトの検討や提案に引き続き力を入れる考えを表明した=写真。「不確実性が増大している。どこに投資したらいいのかという考えもある」などと課題を指摘した上で、「動き始めた時にメニューを持っているのが大事」と提案活動の必要性を強調した。「絵が地元の活動の方向性を示す」とも述べた。
2025年度は引き続き国土強靱化、国際立地競争力の強化、地域の活性化を柱に活動する。進藤会長は「実現のため、具体的なプロジェクトを描く。地元と一緒に機運を醸成する」と活動の抱負を述べた。「災害が多く、地震や山火事、インフラの老朽化といった環境の変化を踏まえると、JAPICの役割、問題の提示は大事になる」とした。
24年度は北海道、近畿北部の畿北、四国、沖縄の4地域ブロックのプロジェクトなどに関する提言を中野洋昌国土交通相に提出した。下関北九州道路のように具体化を検討してきた中には事業化の動きが活発になった開発プロジェクトがある。
進藤会長は「(政府が検討中の)国土強靱化実施中期計画にもわれわれの知恵が含まれている」と活動の成果を話した。各地のプロジェクトのうち検討を始める山陰地域に関しては「幾北によく似ている。コンセプトとして(山陽方面などと)つないでいく必要がある」と意欲を示した。開発プロジェクトに関しては「ファイナンスにPFIもある。造れば収益が上がるプロジェクトのメニューを充実させていくのが具体的な課題だ」と話した。
開発プロジェクトを実行するための課題に人手不足を挙げた。「建設業界も大変苦労しているが(対策の)一つはDXの工夫」と提案し、「女性が建設業に入ってきている。仕事を変えていけば活躍のエリアはまだまだある」と述べた。定年延長によって働き手を確保する必要があるという認識も示した。