国交省/資材高騰おそれ情報、中東情勢は「典型パターン」/民間発注者にも理解訴え

2026年5月1日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省は、中東情勢に起因する建設資材の調達難や価格高騰を踏まえ、受発注者間で契約変更の協議を適切に行うよう働き掛けを強める。2024年の改正建設業法はロシアのウクライナ侵攻などを要因とする資材高騰を背景に、契約前の「おそれ(リスク)情報」の通知を建設業者に義務付けた。楠田幹人不動産・建設経済局長は、今回の経済情勢を予知困難なリスク情報に該当する「典型的なパターンだ」と指摘。受発注者双方に適切な対応を呼び掛ける。=1面参照
 民間工事を手掛ける建設業者からは「民間発注者が価格転嫁などに応じてくれるだろうか」と不安がる声が出ているという。楠田局長は、民間企業が参加する会合などを利用し「発注者の理解が得られるよう訴えていきたい」と強調する。
 建設業者には改正業法に基づく対応を徹底してもらう。契約書に請負代金や工期の変更方法を定めた契約変更条項を設け、事前にリスク情報を通知しておくことが重要だ。これが前提となり、発注者には協議に誠実に対応する努力義務が生じる。楠田局長は「協議の門前払いがあれば行政指導もできる」と説明する。
 円滑に価格転嫁が可能な環境が整えば、買い占めや駆け込みによる一時的で過度な需要の抑制にもつながるとみる。国交省は建設業者などの需要側に、各資材の必要分の購入など安定供給への協力を改めて要請する。
 政府は原油について「日本全体として必要量は確保できている」(高市早苗首相)との見解を示すが、建設業はサプライチェーン(供給網)の出口に位置し流通の目詰まりなどの影響を受けやすい。楠田局長は「業界と協力し、より広く情報を収集し建設業全体の状況を把握することも別途考えたい」と今後を見通す。中東情勢の影響の長期化も念頭に、中小企業庁と連携した「セーフティーネット貸付」などの経営支援策を業界に周知。「建設投資の抑制などの影響が出ることは避けなければいけない」とも話した。