防災庁設置準備アドバイザー会議/報告書を担当大臣に提出、司令塔として強い機能付与

2025年6月5日 行政・団体 [1面]

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 政府の防災庁設置準備アドバイザー会議(主査・福和伸夫名古屋大学名誉教授)は4日、赤沢亮正防災庁設置準備担当大臣に報告書を提出した。防災庁の必要性や基本理念、取り組むべき施策や方向性などを明記。組織体制は首相直属とするなど司令塔として強い機能を持たせる。専門人材の確保育成、職員がやりがいを持って働ける環境整備などにも言及した。
 報告書は「災害から命を守り安心して暮らせる社会、防災により新たな価値を生み出す未来を創る」をメッセージに打ち出した。防災庁の基本的な機能は▽防災に関する基本政策・国家戦略の立案▽平時の徹底的な事前防災の推進、加速の司令塔▽発災時から復旧・復興まで災害対応の司令塔-の三つ。省庁横断での災害対策立案やリスク評価、これまで不足していた中長期の戦略的な防災対策構築などに力を注ぐ。
 施策の方向性にはライフライン強靱化や社会機能強化など未然被害防止対策、分野横断的な災害リスク評価などを挙げた。災害対応力を高めるため円滑な初動体制の構業や、早期復旧復興に向けた事前準備、防災政集推進のための共通基盤の形成、デジタル技術などを活用した防災情報基盤の構築などにも取り組む。
 組織体制は強力な司令塔機能を持たせるため、首相直属組織とするほか、担当大臣を設けて勧告権限を付与する。平時、有事に対応できる十分な人員も確保。▽戦略的な防災計画・対策の企画立案▽事態対処▽産官学民連携や防災教育・啓発▽防災人材育成・訓練等の地域防災力強化▽総合調整機能-の五つの部署が必要とした。
 専門人材確保に向け官民の垣根を越えた人材交流、研修など教育訓練の拡充、働き方に配慮した執務環境整備なども盛り込んだ。