大阪府、大阪市/夢洲第2期マスプラVer.2・0案、大屋根リングなど取扱方針

2025年6月6日 行政・団体 [8面]

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 大阪府と大阪市は5日、大阪・関西万博の会場跡地となる夢洲第2期区域(大阪市此花区、約50ヘクタール)のまちづくり方針「夢洲第2期マスタープランVer.2・0(案)」を公表した。4月に策定した「Ver.1・0」を基に、万博主催者の博覧会協会などとの協議を経て、大屋根リングや静けさの森、大阪ヘルスケアパビリオンといった万博象徴施設の取り扱い方針を明記。今後一般意見募集を経て夏ごろに正式策定し、2025年度後半に開発事業者の募集を始める。
 マスタープランVer.2・0では夢洲駅を起点とする七つのゾーンを設定し、非日常空間や最先端技術の活用による未来都市の形成を目指す。ゾーン内にはエンターテインメント、商業、医療・ライフサイエンス、宿泊・オフィス、MICE(国際的なイベント)などの機能を誘導し、第1期区域(IR〈統合型リゾート〉)との連携を強化する。
 Ver.2・0での主な更新点は三つ。第1に大屋根リング(全長約2200メートル)のうち、北東部約200メートルを現在地に残置し、開発事業者が原型に近い形で活用、改修、部材リユースのいずれかの方法で提案できるよう明記した。第2に静けさの森の樹木(約1500本)も再配置などでの利活用を想定し、協会が残置する方針を示した。第3は、大阪ヘルスケアパビリオンの既存建物を移築または一部残置した上で民間が先端医療などに活用できるよう、土地処分の柔軟化や継続性の確保を盛り込んだ。
 大阪ヘルスケアパビリオン跡地活用ゾーンは2期に先行して事業者募集を行う予定。
 大阪府の吉村洋文知事は「非日常の体験価値と万博の理念を継承した、未来都市の実現に向けたまちづくりを着実に進めていく」としている。