湯崎英彦広島県知事と林正道中国整備局長が懇談/土砂・洪水氾濫対策で連携

2025年6月20日 行政・団体 [18面]

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 広島県の湯崎英彦知事と中国地方整備局の林正道局長が18日、広島県庁で懇談し=写真、激甚化・頻発化する土砂・洪水氾濫対策に連携して取り組むことを確認するとともに、湯崎知事が高度な技術力を要する瀬野川水系では新たに直轄による事業化が必要と訴えた。国道2号広島南道路や福山道路の整備、広島高速4号線の延伸など道路ネットワークの強化も求めた。
 林局長は「民間投資や経済活動の前提となる基盤整備が重要であり、地域が稼げるよう国土の生産性を向上させないといけない。地域を支えるインフラはますます重要になっている」と述べた。
 閣議決定した第1次国土強靱化実施中期計画については「一刻も早く事業を進めることが重要」とし、県に「予算の確保に必要な地域の実情や危機感を伝えてほしい」と要望。湯崎知事は「継続的、安定的な推進が重要だ。資材価格や人件費の高騰に合わせ、必要な財政措置を確実に実施してほしい。地方の声を届けたい」と応じた。
 湯崎知事は豪雨災害への対応について、「流域治水を強力に推進している。国と連携して進めたい」と協力を要請。人口や資産が集中する区域や重要交通網が含まれる区域など社会経済活動への影響が大きい区域では引き続き直轄事業を要望した。林局長は「流域全体で水害を減らす流域治水対策を進めており、引き続きしっかり取り組む」と回答した。
 さらに土砂・洪水氾濫被害のリスクが高い地域を調査しているとし、「役割分担した上で対策を進めていきたい」と述べた。瀬野川流域については「必要な検討を進め、体制の確保に努める」とした。
 また、湯崎知事は港湾部を東西に貫く広島南道路の整備が重要だと指摘。明神高架区間や木材港西~廿日市間の整備を促進するとともに、商工センター~木材港西間の早期事業化を求めた。山陽自動車道と接続する広島高速4号線の延伸については「重要な役割を担う」と早期の事業化を要望した。
 中国整備局によると、広島南道路は明神高架橋の4割の下部工が完成し、引き続き橋梁の上下部工を進める。木材港西~廿日市間は道路の設計を進め、今月下旬に設計内容などに関する説明会を開く。林局長は商工センター~木材港西間について「事業中区間の進捗を見ながら、県や市と連携して周辺道路の状況把握を進めたい」と話した。