国交省が骨子案/群マネ実装「手引」25年夏公表、実施手順提示・支援ツール用意

2025年6月24日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の全国展開に向けた「手引」の骨子案をまとめた。まずは群マネ導入の標準的なステップや先行事例のノウハウの周知を狙いとした「Ver.1」を夏ごろ公表する。初めて取り組む地方自治体向けの「支援ツール集」や、全自治体のインフラメンテナンスの実態を「見える化」したデータも付ける。各自治体に自らの立ち位置を客観視してもらうことで危機感を喚起しつつ、群マネへの理解と実装を促す内容だ。
 23日開いた群マネの「計画策定手法検討会」(座長・家田仁政策研究大学院大学特別教授)と「実施手法検討会」(座長・小澤一雅政策研究大学院大学教授)の合同会議で説明した。
 手引は2段階で公表予定。Ver.1は従来の包括的民間委託の領域を超えた「広域連携」や「多分野連携」の主に二つのパターンを解説。導入検討の初期段階からのステップをチェックリスト形式でたどれる形でまとめる。各ステップの勘所や苦労ポイントの記載を充実させ実践を後押しする。
 「Ver.2」の公表時期は未定。国が支援する11件のモデル地域での試行などを踏まえ既存事例が乏しい群マネのパターンを取り上げ、契約上のインセンティブや広域連携スキームの構築方法も解説する。
 支援ツール集は手引の付録編として用意。自団体の現状把握や導入時の効果試算が行えるシート、群マネ実施方針に書き込む項目のフォーマット、先行事例で使用した発注図書のサンプルなどを付ける。群マネ導入で維持管理業務を他団体に任せきりにするといったモラルハザードが起きないよう、本来の管理者が残すべき体制や役割・責任をまとめた「心得」も示す。
 ノウハウやマンパワーが足りない自治体向けの相談窓口を設置する方針も記載。「人の群マネ」と称する受け付け機能を設け、産学官アドバイザーの派遣や新技術「お試しセット」の貸与で支援する方向で検討する。
 各自治体の実態の見える化はインフラの▽質・量▽予算▽体制(技術系・土木部門職員数、建設業・就業者数)-などの視点でデータを公開する。同規模自治体と比較可能とし課題把握や施策検討に役立ててもらう。