安藤ハザマは建設現場の暑さ対策を強化する。化粧品大手ポーラ・オルビスグループのポーラメディカル(横浜市戸塚区、松本剛社長)と連携し、AIが顔の表情や発汗などから体調変化を検知する暑熱対策AIカメラ「カオカラ」を活用。安藤ハザマが施工する国内全現場に導入し、ラオスやネパールといった海外の現場でも検証を始めた。
カオカラは、カメラに顔をかざして顔の情報を検出するタブレット型のAI機器。専用に学習したAIが現場作業員らの顔色や表情、発汗を解析し、判定結果として約3秒で管理者とのコミュニケーションを促す行動を4段階の色で表示する。外気温や湿度などの環境情報と統合し体調の変化に気付きを与える。2024年には国内にある数百の建設現場などで使用された。
安藤ハザマによると、国内の建設現場で働く外国人作業員の多様な肌色や顔立ちをカオカラでAI判定するのは汎用(はんよう)性などに課題がある。そこで日本よりも厳しい気候条件の下、多様な人種や顔立ちの作業員が働くラオスやネパールの土木、建築両現場でも検証。さまざまな国での活用を前提に、グローバル展開に向けさらなる機能強化を目指す。
国内現場では、安藤ハザマの社内標準ビジネスチャットツールである「direct」とのリアルタイム連携も実証。カオカラで高リスク判定結果が出た場合、即時に同ツールのグループチャットに自動通知する連携機能を開発した。現場管理者がリアルタイムに作業員の顔画像と高リスク判定結果を把握でき、迅速な水分・塩分補給や休憩指示といった初動対応が可能になる。
安藤ハザマは今回の実証で得られる知見や課題を生かし、カオカラのAI精度を継続して向上させる。多業種への展開やさまざまな業務アプリケーションとの連携も見据える。