五洋建設ら/工事用仮設エレベーターの監視システム開発、稼働状況から揚重計画効率化

2025年8月6日 技術・商品 [3面]

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 五洋建設とセンシンロボティクス(東京都品川区、北村卓也社長)は5日、「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」を開発したと発表した。超高層ビルなど大規模工事の現場で使う仮設エレベーターの稼働データを収集。作業員や搬入車両の待ち時間を減らす最適な揚重計画を検討し、作業効率を高める。既に現場に導入し、効果を確認した。
 エレベーターの制御情報と映像をサーバーに送信し、データを集める。揚重する資材の情報はスマートデバイスに入力。工事事務所や作業員事務所に設置したモニターから、資材の種類や重量、エレベーターの現在階と行き先階などを確認できる。
 収集した稼働データはグラフ化し、揚重計画の改善や修正に生かす。リアルタイムの監視にも対応する。エレベーターの階数情報は現場内の全作業員がスマートデバイスから確認可能。混雑時の待ち時間を有効活用できる環境を整える。
 東京都中央区で施工中の「月島三丁目北地区市街地再開発事業建設工事」に同システムを適用した。作業員の待ち時間の改善や、搬入車両の待機時間の短縮を実現した。高層階での荷下ろし状況を踏まえて、荷積み階での作業効率を高める効果も確認した。
 超高層ビルの建設現場は、資機材の揚重や作業員の移動にかかる時間が多く、工期への影響も大きい。エレベーターの設置台数や揚重計画は経験則に基づいて決めるケースが多く、朝や昼などの混雑が課題になっている。稼働状況を一元的に管理・分析できるシステムを導入し、現場の生産性向上を後押しする。