東京都港湾局など5者は、ビルの開口部や壁面を活用する「建材一体型太陽光発電設備(BIPV)」の実用化に向け、都内で発電性能の検証を開始した。場所は東京都江東区青海地区のテレコムセンタービル。西棟7階の内窓にフィルム型ペロブスカイト太陽電池など3種類の次世代型ソーラーセルを設置し性能を把握する。1990年代まで広く使用されていた「熱線反射ガラス」の影響なども調査する。
検証期間は5日~2026年1月20日。臨海副都心カーボンニュートラル戦略に基づく取り組みで、東京都港湾局、東芝エネルギーシステムズ、YKKAP、関電工、東京テレポートセンターの5者が協定を結び連携している。検証には14枚の太陽電池セルを使用。フィルム型太陽電池の長期使用を想定した設置方法、既存ビルにBIPV内窓を取り付ける方法、方位や角度による発電量の違いなどについて詳細なデータを収集する。
BIPVは24年7月から、東京・秋葉原やさっぽろ雪まつりの会場に設置した実験用ハウスなど、異なる環境条件下でデータを収集してきた。5日の会見でYKKAPの中谷卓也新規事業開拓部長は「通常の太陽電池はモジュール化できるが、BIPVは各窓に合わせたフリーサイズ対応が必要であり、実装の課題だ」と述べた。