兵庫県尼崎市は、実施設計・施工一括(DB)方式を採用する「尼崎市総合文化センター耐震化事業」の実施方針を公表した。31日に入札説明書案を公表し、10月下旬に入札公告する予定だ。開館から約50年が経過する音楽ホールなどを備える文化発信拠点「総合文化センター」(昭和通2の7の16)の減築と耐震化を行う。事業期間は2030年10月31日まで。基本設計は山下設計、発注支援業務は安井建築設計事務所が担当。
入札説明書案の公表に先立ち、資産統括局技術監理部建築課で11日まで現地見学会(22日に開催)の参加申し込みを受け付ける。10月下旬の入札公告後、11月中旬~12月中旬に再び現地見学会を開き、同中旬まで参加表明書を受け付ける。26年2月中旬までVE提案、同4月中旬まで入札書と提案書類を受け付け、プレゼンテーションと開札を経て同6月に最優秀提案者を選定する。
参加資格は実施設計と工事監理、建設工事を担う単体とJV、企業グループのいずれか。実施設計・工事監理の担当企業は、固定席450席以上の劇場または自治体などが発注した延べ3000平方メートル以上の公共施設(10年度以降に竣工)の新築や改修、耐震補強工事の実施設計の元請履行実績があること。
建設企業は建築一式工事の総合点数が市内業者900点以上、準市内業者1100点以上、その他1300点以上。10年度以降に自治体が発注した延べ5000平方メートルの公共施設の新・増築、耐震改修工事の元請施工実績があること。
敷地面積は約1・1ヘクタール。総合文化センターは尼崎市振興財団の所有施設で、文化棟(SRC造地下1階地上10階建て延べ9260平方メートル)と、ホール棟(あましんアルカイックホール、SRC造地下2階地上6階建て延べ1万1584平方メートル)の2棟で構成。両棟の1~3階は通路で接続している。
市は同財団から施設の移管を受けた上で事業を実施。耐震化後は公共施設として市が運営する。DB事業では文化棟の現6~10階と塔屋を減築し、多目的室などを下階に機能移転。同棟の延べ面積は3531平方メートルとなる。
26年9月下旬に市議会の議決で本契約を結び、同10から設計・施工を進める予定。