福島県双葉町はDBO(設計・建設・運営)方式を適用する「双葉駅西地区複合的福祉サービス拠点整備事業」の公募型プロポーザルで常磐開発(福島県いわき市)を代表とするグループを優先交渉権者に選んだ。事業参考価格は設計費9300万円、建設工事費130億円、工事監理費3500万円が上限になる。設計を2027年6月までにまとめ、26年3月~27年6月の期間に工事監理、建設を進める予定だ。
構成員は代表企業のほか田中建設、都市開発の企画や設計などを手掛けるプラスニューオフィス、住宅デザインのブルースタジオの計4社。基本設計、実施設計、設計監理、工事監理、建設をそれぞれ担う。
建設地は長塚町西29の1ほか。1893・35平方メートルの敷地に介護、健康増進、相談、交流機能を備え、町の復興を伝える複合福祉サービス拠点(延べ約1300平方メートル)を整備する。構造や階数は提案により決める。
東日本大震災後、全町避難を余儀なくされた同町では、20年3月に一部区域の避難指示解除を経て、22年8月にJR双葉駅を中心とする特定復興再生拠点区域全域の避難指示が解除された。22年6月に「双葉町復興まちづくり計画」を策定し、駅西エリアを「良好な住宅地を形成するエリア」と位置付け、町民が安心して暮らすため福祉、介護の環境整備を施策の一つに掲げた。対象地周辺では宅地や教育施設の整備が予定されており、交流の場としての役割も求められている。