回転窓/6年後にも耳を傾ける

2025年7月11日 論説・コラム [1面]

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 6日放送のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は“蔦重”こと蔦屋重三郎らがコメの高騰に打撃を受けるさまを描いた。田沼意次が米不足への策に頭を悩ませ、蔦重が言葉で米価を動かせないかと画策。現在の状況と重なる描写に共感した方も多いだろう▼農林水産省が7日発表した統計によると、全国のスーパー約1000店舗で6月23~29日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は、前週より129円安い3672円。下落は6週連続で、3600円台は1月27日~2月2日の週以来21週ぶり。100円の下落は3週連続になる▼随意契約による政府備蓄米の販売数量は6月29日までの累計で3万2840トンと、前週から1万4449トン増加した。販売増が平均価格の低下につながったようだ▼20日投開票の参院選は物価高対策などを巡る舌戦が激しさを増している。コメの安定供給に向けた優先的な取り組みは「流通経路の改善」「農家の所得補償制度の導入」など各党で意見が分かれる▼参院議員の任期は6年。直近の物価対策などはもちろんだが、6年後の日本をどう描いているのかにも耳を傾けたい。

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