山口県下関市は、関門海峡沿いの「あるかぽーと地区」で進めるウオーターフロント開発について、2027年3月末で事業用定期借地権設定契約が満了するエリアを対象に、新たなにぎわい拠点を整備する民間事業者を公募する。港湾緑地に収益施設を整備できる「みなと緑地PPP」も活用し、魅力のある空間を創出する考えだ。事業者の選定は公募型プロポーザルを採用し、26年1月16日まで参加表明書や提案書を受け付け、プレゼンテーション審査を経て、同3月下旬に優先交渉権者の選定結果を通知する。
現在は遊園地「はい!からっと横丁」(あるかぽーと1番40)があるが、絶好の景観を生かした複合施設を誘致することでにぎわいの場としてさらなる発展が期待されており、隣接地に星野リゾート(長野県軽井沢町)のリゾートホテル「リゾナーレ下関」が開業するのを踏まえ、エリア全体の活性化を図る。
事業名は「下関港ウオーターフロント開発あるかぽーと1番40事業」。対象地の面積は0・81ヘクタール。商業地域で建ぺい率は80%、容積率は400%。隣接する港湾緑地は0・92ヘクタール。収益施設を設置する事業の貸付期間や範囲などを任意で提案できる。
事業コンセプトは「関門海峡のロケーションを生かし、市民や観光客が訪れる目的になる施設」「日中から夜間まで年中を通して滞在できる施設」「周辺施設と調和し、回遊性や利便性を高め、魅力ある空間を創出する施設」とし、独立採算方式で施設の設計と施工を行い、運営する事業者を募る。単独かグループで応募できる。
みなと緑地PPPの活用でレストランやカフェなどの収益施設を整備できるほか、エリア内でイベントを開催できる。借地期間は10年以上30年未満または30年以上50年未満。港湾緑地は最大30年。
審査委員会の選定結果を踏まえ、市が優先交渉権者を決める。
26年4月以降に基本協定と事業契約を結び、27年3月末までに定期借地権設定契約を締結する。星野リゾートのホテルは12月に開業する予定。