国交省/CCUS能力評価ガイドライン改定、多能工など就業履歴蓄積柔軟化

2025年7月17日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価(レベル判定)手続きで、複数の職種で横断的に働く「多能工」や製造・加工現場で従事する技能者なども、就業実態に見合った能力評価が受けられるよう制度運用を見直した。多能工のように複数の職種コードに分散して就業履歴が蓄積され、個々の能力評価が困難となっていた現状を改善。前後工程などの関連職種を担うと想定される場合、それに対応する職種コードを現場ごとに併せて設定可能と明確に示し、就業履歴が分散せず積み上がるようにする。
 国交省が「建設技能者の能力評価制度に関するガイドライン」を1日に改定した。能力評価を実施する44職種の専門工事業団体と建設産業専門団体連合会(建専連)、建設業振興基金(振興基金)で構成する「建設技能者能力評価制度推進協議会」の6月の会合で改定案を報告していた。
 能力評価基準は単一の職種を前提に作成されており、それでは対応し切れない働き手が多くいる。専門工事業団体からは各職種の実態に応じた的確な能力評価を可能とする環境整備を求める声が挙がっていた。
 ガイドライン改定では技能者が施工現場ではない資機材の製造・加工現場や機械整備などに従事した場合も、その日数を就業履歴として算入することを認める。このケースでは専門工事会社が自社の事務所や作業場をCCUS上で現場登録し、自社で就業履歴の蓄積環境を整えて対応して構わないと明確化した。技能者が教育訓練や社内研修を受けた日数も同様に就業履歴への算入を許容する。
 多能工の取り扱いは、現場ごとに関連職種に対応する職種コードを併せて設定することが望ましいと明記した。関連する技能を必要とする職種や前後工程を担う職種などを従事すると想定されるケースで現場ごとの柔軟な対応を可能にする。特定の職種で入職した技能者が、見習い期間中に就業履歴を蓄積することが想定される場合、普通作業員の職種コードを併せて設定する取り扱い方も望ましい方法として明記した。