TICAD9/関連イベントで建設各社が技術・施工実績PR/現地人材育成にも注力

2025年8月22日 企業・経営 [3面]

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 22日まで横浜市で開かれる第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の関連イベントでは、建設会社が最先端の技術や現地での施工実績などを強力に発信している。21日に国土交通省が開いた第4回日・アフリカ官民インフラ会議では、プロジェクトの担い手となるローカル人材の育成にも注力する方針を表明。人口増加を背景に世界経済の「最後のフロンティア」ともいわれるアフリカの成長を取り込む。=1面参照
 日本貿易振興機構(ジェトロ)主催の「TICAD Business Expo & Conference」では、幅広い分野別に日本企業の技術や製品、サービスなどを展示している。このうち「質の高いインフラ」を掲げる展示ブースでは、清水建設や戸田建設、フジタなど多数の建設関連会社が出展した。
 清水建設は、アフリカ事業の管轄拠点を置くケニアの道路舗装や廃ペットボトルなどのごみ問題に貢献する方針。廃PET(ポリエチレンテレフタレート)素材による高耐久のアスファルト合材を製造・販売するため、日本道路や花王と協力して現地で技術実証している。バイオ炭を混入してコンクリート内部に二酸化炭素(CO2)を固定する環境配慮型コンクリートなどの優位性もPRした。
 戸田建設は、西アフリカ地域を中心に施工してきた建築プロジェクトの実績を紹介。現在はコンゴで「日本国大使公邸新営工事」を施工している。今後は太陽光発電や陸上風力発電などカーボンニュートラル(CN)関連の土木プロジェクトも手がけていきたい考えだ。
 フジタは、現地での道路や橋梁といった交通インフラ整備の実績をPR。現在はジブチで橋梁を施工している。国際協力機構(JICA)と協働し、ケニアで農業の機械化にも取り組んでいる。同国のモンバサでデータセンター(DC)の建設も計画している。
 第4回日・アフリカ官民インフラ会議の関連プログラムとして開かれたセミナーでは、質の高いインフラ整備を担う現地人材の育成を取り上げた。フジタの奥村洋治社長や清水建設の大迫一也常務執行役員グローバル事業本部土木国際支店長らが登壇し、各社の取り組みや実績を説明。奥村社長は「人を育てることは未来を育てるというのが根本的な考え。優れたインフラは優れた人材が支える」と訴えた。