中日本高速名古屋支社/北市場高架橋床版取換の現場公開/判断面施工で通行車線確保

2025年10月10日 企業・経営 [7面]

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 中日本高速道路名古屋支社は8日、中央自動車道多治見IC付近の北市場高架橋(岐阜県多治見市)の床版取り換え工事を報道陣に公開した。交通影響を抑制するため、現場に合わせて開発した床版架設機を導入し半断面施工で実施。規制時間の短縮につなげ、下り線(名古屋方面)は常時2車線を確保する計画で進めている。施工は大成建設。床版取り換えは12月に完了する予定。
 工事名は「北市場高架橋他1橋床版取替工事」。開通から52年が経過し、大型車の通行増加や凍結防止剤の使用で床版の劣化が目立つ北市場高架橋(鋼2+3径間連続非合成鈑桁橋、橋長156メートル)と、欠梁橋(多治見市、鋼3径間連続非合成鈑桁橋、橋長90メートル)の床版を取り換え、床版防水工や橋桁の塗り替えなども行う。工期は2027年4月まで。
 対象エリアは上り線より下り線の交通量が多く、交通影響を最小限に抑えるため、下り線を常時2車線確保する計画を採用。上り線追い越し車線は24年5~8月、上り線走行車線は同8~12月、下り線追い越し車線は25年5~8月で完了した。
 現在取り組んでいる下り線走行車線では、床版(5・3メートル×2・3メートル、重さ10トン)を68枚交換する。フレームや巻き上げ装置、移動装置などで構成する架設機を導入することで、省スペースでも効率的な床版取り換えを実現。1日約3枚のペースで施工している。
 近接する住宅街への配慮として、現場での鉄筋挿入作業をなくすことができる「ヘッドバー継ぎ手」を採用。新しいコンクリート床版の製造では、セメントを高炉スラグ微粉末へ置き換え、従来と比較し二酸化炭素(CO2)排出量を47%削減するなどさまざまな工夫を導入しながら工事を進めている。
 説明を担当した中日本高速道路名古屋支社の藤嶋祐太工事担当課長は「迅速・安全に施工を進めてインフラの老朽化に対応し、安全・安心な道路を提供する」と話した。