竹中工務店/建物検査用AIシステムを国内展開/シンガポール企業と協業

2025年8月22日 技術・商品 [3面]

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 竹中工務店がシンガポールのスタートアップ・H3 Zoomと協業し、建物検査用AIシステムを国内展開する。外壁用の「Facade Inspector」と屋内向けの「Interior Inspector」。検査で撮影した画像や動画をAIで解析して汚れなどの問題箇所を自動で抽出し、リポートを作成する。ドローン撮影にも対応可能。高層ビルの外壁点検で足場やゴンドラが不要になる。
 海外では、5000件以上の建物で検査実績があり、3万5000件を超える問題箇所を検知した。ユーザーインターフェースやリポートに日本語対応を加え、国内基準に沿った検査項目を追加した。巡回業務の効率化と建物メンテナンス全体の生産性向上が期待できる。
 国内の展開窓口はジザイエ(中川純希社長)。同社は映像を高速、高画質で圧縮・伝送・保存する技術を保有している。「H3 Zoom」のAIソリューションとの組み合わせで、インフラ点検の現場に最適なシステムとして導入できる。竹中工務店は検査項目を増やしながらAIの学習効率も高め、導入実績の拡大を目指す。