竹中工務店/「どう働く?」を形に/独自カードが好評、導入100件超に

2025年11月21日 技術・商品 [3面]

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 竹中工務店は、オフィスの新築・改修などで顧客の要望を引き出すため、独自開発した「アクティビティカード」の活用を広げている。想定される職場の使い方を分類、整理したかるたサイズのカード。顧客は理想の職場を明確にしやすくなり、設計者はニーズを捉えた提案ができる。2017年以降に企業のオフィスや大学、自治体庁舎、研究施設などの整備案件に利用し、適用実績は100件を超えた。
 アクティビティカードはオフィス版87シーン、大学キャンパス版84シーン、自治体庁舎版100シーンの3種類がある。カードには「わいわいがやがやアイデアを出す」「ひとりで集中する」「気分転換に体を動かす」など、オフィスや大学のアクティビティ(働き方、使い方)を表す文章とイメージ写真を印刷している。記載内容は同社が06年に設けたワークプレイスプロデュース本部で培った知見や、学術研究の成果を参考にしている。
 カードは顧客とのワークショップで活用する。実現したい働き方や職場の使い方を話し合ってもらい、カードで把握した要望を計画に落とし込む。特別な知識は不要。直感的に選べるため、誰でも参加しやすい。聞き取り調査に比べ、顧客と設計者の意思疎通が円滑になり、建設的に議論できるという。
 カードは多様な働き方に対応する事例として、建築物環境総合性能評価システム(CASBEE)ウェルネスオフィスの20年版評価マニュアルに掲載された。今後は病院や都市計画にも活用する方針。同本部の岩崎太子郎本部長は「テレワークの種類など、時代に合わせアップデートしたい」としている。