新菱冷熱工業/シンガポール地下鉄設備受注/490億円、駅舎空調とトンネル換気

2025年8月22日 企業・経営 [1面]

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 新菱冷熱工業は21日、シンガポール陸上交通庁から同国8路線目となる地下鉄「クロスアイランド線第1期およびポンゴル延伸区間」の駅舎空調とトンネル換気の工事を受注したと発表した。受注額は4億3680万シンガポールドル(約490億円)。2032年までに完成予定の地下鉄2区間のうち計約36キロを担う。
 駅舎工事では車両の排熱のプラットホーム流入を防ぐスクリーンドアなどを設置し、空調設備の省エネを図る。トンネル工事では電車運行に伴う自然な換気を利用しつつ、ラッシュ時や火災時に大型換気ファンやダンパーで風向きを調整できる技術を適用する。
 施工区間はクロスアイランド線(30年完成予定)のうち同国北東部からブライトヒル駅までの12駅(全長29キロ)と、32年に完成予定のパーシル・リス駅~ポンゴル駅の4駅(全長7・3キロ)。クロスアイランド線は総延長50キロ超の同国最長の地下鉄路線で、工事は3期に分かれる。同線全体の乗客数は将来、1日当たり100万人を超えると見込まれている。
 新菱冷熱工業は1983年にシンガポールへ進出した。87年には同国初の地下鉄となる南北線と東西線で駅舎空調・トンネル換気工事を手がけた。これまでに北東線や環状線、トムソンイーストコースト線など地下鉄駅の約7割で工事に携わった。