日本建設業連合会(日建連)が10年ぶりに長期ビジョンを策定した。タイトルは「スマートなけんせつのチカラで未来を切り拓く-建設業の長期ビジョン2・0-」▼2050年までの時代を概観するとともに、10年後の建設市場規模や技能労働者の不足数を推計。その上で「選ばれる産業」へ技能労働者の所得倍増などを目標に掲げた▼先行きを見通すのは難しい時代だが、建設業が目指す方向を広く示した意味は大きい。生産性については25年比で25%向上を目標とする▼長期ビジョンの中で建設業に求められる社会的な役割の一つに挙げるのが「応災」。復旧復興だけでなく災害廃棄物の処理などポスト災害対応を示すもので、「国、地方公共団体はもとより、建設会社も応災力を高めていかなければならない」(第I部コラム「防災・減災そして『応災』」から)とした▼8月は九州や北陸、東北地方などで大雨による被害が発生している。近年これほどまでに災害が増えると、日常時と非常時を区別しない「フェーズフリー」の視点に立った対策が一層重要となる。国と地域の応災力を担う建設業に対する社会の理解も深めたい。