戸田建設/高速道路の床版取り換え工法、幅員方向分割施工に適用/車線規制を減少

2025年9月4日 技術・商品 [3面]

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 戸田建設は、高速道路の床版取り換えで独自の継ぎ手構造を使って床版を接合する「すいすいC&T工法」の適用範囲を広げた。道路の片側を通行させながら工事を行う「幅員方向分割施工」に対応。幅員方向に床版を分割し、施工エリアを工事車線に限定。車線規制を減らして渋滞緩和につなげる。接合部の構造については走行試験で性能を確認している。
 同工法はプレキャスト(PCa)床版の縁に「C型」と「T型」の金具を取り付けてはめ込み、隙間にモルタルを詰め込む。従来は「橋軸方向」に分割する施工に用いていた。
 幅員方向に分割して施工する場合、横目地(車両の進行方向)は従来通りC型とT型の金具でつなぐ。縦目地は強度を高めたPC鋼線をより合わせたPC鋼より線で接合する。PC鋼より線を入れるシース管の接合作業を行うスペースを設けている。このスペースの断面は長円型で、せん断力を効率良く伝えられる。
 高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)の輪荷重走行の試験基準では、耐用年数100年相当の疲労耐久性能を満たすことが求められる。戸田建設は2024年1、2月に横目地と縦目地を模した試供体を使って輪荷重走行試験を実施。横目地、縦目地ともに耐用年数が100年相当と確認した。