回転窓/にわかファンの期待

2025年9月12日 論説・コラム [1面]

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 五輪やパラリンピックといった世界的なスポーツの祭典が始まると、なじみのない競技でも、ついつい手に汗を握りながら応援してしまう。いわゆる“にわかファン”だが、ひたむきに競技へ挑むアスリートの姿や緊張感に満ちた試合展開が人々を引き込む▼陸上の世界選手権東京大会が13日に開幕する。日本選手団は80人を数え、女子やり投げで大会2連覇を狙う北口榛花選手を筆頭に、男子の競歩や400メートルリレーなどで表彰台が期待される▼見どころの一つがマラソンだろう。国立競技場(東京都新宿区)を発着点に、皇居や神田、銀座、秋葉原など都内の名所をトップランナーが巡る。37キロ付近から始まる上り坂が勝負を分ける難所で、周回と直線を組み合わせたコースでの戦略や駆け引きに注目したい▼世界選手権は原則2年ごとに行われ、五輪と並ぶ最高峰の大会。日本開催は1991年東京、2007年大阪に続き3度目となり、34年ぶりの東京開催となる。地の利を生かし、過去最多の4個を超えるメダル獲得が期待される▼世界の一流アスリートが集う大舞台で、どんな名場面が生まれるか。大会は21日まで続く。