日比谷総合設備/DC液冷技術の研究に注力/NTTデータら8社と連携

2025年9月16日 技術・商品 [3面]

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 データセンター(DC)の機器類を液体で冷やす「液冷方式」の普及を見据え、日比谷総合設備が研究に力を入れている。2024年11月に同社技術研究所(千葉県野田市)内に、NTTデータと共同で検証施設を開設して設備メーカーとも連携。液冷技術の課題を洗い出し、解決策を探る場として活用している。技術研究所の高橋慎一所長は「データセンターの日比谷と言われるべく設備技術を蓄積したい」と意気込む。
 検証には▽NTTデータ▽日比谷総合設備▽桑名金属工業▽日比谷通商▽三井ケマーズ▽三桜工業▽東亜電気工業▽ゲットワークス▽アステックス-の9社が参画する。
 検証施設「Data Center Trial Field」には、冷却方法が異なるサーバーラックが並ぶ。現在主流の空冷と水冷を組み合わせる「水冷ラック」や、サーバー機器を特殊な液体に浸して直接冷やす「液浸冷却」などがあり、効率良く冷やしたり、配管を通したりするための技術的な検証を進めている。
 ここ数年、大量の計算処理が必要な生成AIやHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)が急速に普及し、DC需要も急拡大している。従来の空冷方式だけでは冷やしきれなくなっており、次世代冷却技術として液冷方式が注目されている。日本では実機を視察できる場が少なく、開設以降、既に130社、700人ほどが視察に訪れているという。
 高橋所長は「タブーとされていた液体を持ち込むための苦労がある。施工会社のミッションは安心・安全な施工だ。最も恐ろしい漏水事故を念頭に、質の高い工事に向けて取り組んでいく」としている。