回転窓/献血のススメ

2025年9月16日 論説・コラム [1面]

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 仙台市内で7月に開かれた「第61回献血運動推進全国大会」で、福島県郡山市の陰山建設(陰山正弘社長)が「昭和天皇記念献血推進賞」を授与された。献血運動の進歩発展などに顕著な功績を上げた個人・団体に贈られる賞であり、中小企業の受賞は初めてという▼協力会社らと共に40年以上続けている「愛の献血運動」の取り組みが高く評価された。本業だけでなく献血で地域に貢献する建設会社の功績を心からたたえたい▼オーストリアの病理学者カール・ラントシュタイナーが、ABO式血液型を発見したのは1900年にさかのぼる。この研究成果で科学に基づく安全な近代輸血が可能となった▼日本では医療現場に必要とされる血液量を確保できているものの、若年層(10~30代)の献血者数が以前と比べて大幅に減少。少子高齢化が進むと将来の安定供給に支障を来す恐れもある▼「心配です」「困っています」--。全国の赤十字血液センターがそうした献血状況をハートマークのイラストで表示している。ウエブサイトで血液型ごとの状況が確認でき、関心を向ける人が増えれば助け合いの輪はより広がるだろう。