日本建築士事務所協会連合会(日事連、上野浩也会長)は3日、第47回建築士事務所全国大会(新潟大会)の記念式典を、新潟市中央区の朱鷺メッセで開いた=写真。大会テーマは「次世代に繋(つな)ぐ 環境と調和」。自然豊かな越後の地で自然と地域のつながりや、地域社会と空間について幅広く議論した。
大会に先立って開いた記者会見で上野会長は「この1年地方を回り、公共建築の設計監理業務に関する低入札、ダンピングが各地で問題になっていた。地方自治体に最低制限価格を設けてほしいと国土交通省に訴えている。総務省とも話していく。残る任期で解決はできないかもしれないが、糸口だけではつかんでいきたい」と主張。ダンピング対策と働き方改革の取り組みをセットで進める考えを示した。
2024年度1級建築士資格の合格率が8・8%と低水準だったとし「このままでは1級建築士が絶滅危惧種になってしまう」と指摘した。建築設備士不足の問題にも触れながら、設計業務に携わる人材の確保に注力。中でも若手や女性の活躍に向け、設計事務所のサポート体制をさらに強化するとした。
新潟県建築士事務所協会の本間裕之会長は式典のほか青年話創会や女性交流会など大会プログラムを説明。式典で1250人を超える参加者を迎え「大会でさまざまな発見をしていただき、今後の活動の一助にしてほしい」と述べた。
大会に合わせて、建築家の山本理顕氏による基調講演も行われた。