石破茂首相の後任を決める自民党総裁選は4日に投開票され、高市早苗衆院議員が第29代総裁に選出された。15日にも召集される臨時国会で第104代首相に指名される見通しだ。高市氏は首相就任後、物価高などに対応する経済対策を早期に策定し、裏付けとなる2025年度補正予算案を臨時国会に提出する考え。経済対策に基づく補正予算で例年措置されている国土強靱化関係予算の扱いが焦点になる。
高市氏は公約で「責任ある積極財政」を掲げ、大胆な「危機管理投資」と「成長投資」を打ち出した。国土強靱化対策も主要な政策として例示している。
総裁選期間中の党主催の討論会でインフラ更新の遅れの改善方策を問われ、リスク除去へ早急な対応の必要性から「最新の技術を使って一刻も早く進めていく」と強調した。シミュレーション技術でリスクを総点検し、事前防災に必要なハード・ソフト対策を徹底。衛星データのAI解析技術などを活用した効率的な老朽化対策を進める。
成長投資の一環で、日本に強みがある技術の社会実装、産業分野の人材育成を支援する方針も示す。各産業界のニーズを踏まえ職業教育を充実させ、労働時間規制を従業員の「心身の健康維持」と「選択」を前提に緩和するとしている。
衆参両院で少数与党となり、経済対策などの政策実現には野党の協力が欠かせない。臨時国会までに連立政権の枠組み拡大への協議が進む。